和食器の取扱いについて

how to handle

初めて使う時

01. 高台を確認しましょう

高台(器の底の部分)をチェックします。高台にざらつきがあるとテーブルを傷つけたり、重ねた時に器を傷つけるなどの原因になります。 ざらつきが気になるときは、目の細かいサンドペーパーでこすったり、ほかの器の高台と擦り合わせることで、ざらつきを目立たなくすることができます。

02. 「目止め」をしましょう

土が素材の陶器には目には見えない小さな穴がたくさんあります。買ってすぐ使うと料理の水分が沁み込み、変色・におい移りの原因となります。それを防ぐひと手間が「目止め」というお手入れ方法です。 まず鍋に器を入れ、次に器が浸かるまで“お米のとぎ汁”を入れます。15分ほど煮沸した後、器を取り出し、ゆっくりと冷まして終り。こうすることでお米のでんぷん質が穴を塞ぎ、変色やにおい移りを防いでくれます。 長く大切に使うための「目止め」、この小さなひと手間が美しい経年変化をもたらし、愛着が生まれ、長く楽しむことができます。※小麦粉や片栗粉でも代用可能です

取扱い方法

01. 料理を盛り付ける前のひと手間

温かいお料理を盛り付ける際は“ぬるま湯”を、冷たいお料理を盛り付ける際は“冷たい水”に器をくぐらせて下さい。そうすることで、温かいお料理は温かいまま、冷たいお料理は冷たいまま、料理の温度を損なわず美味しく食べることができます。 また、表面の水分のおかげで醤油や油分、においなどが沁みにくくなります。

02. 電子レンジの使用について

電子レンジは急激な温度変化が起こるため、ダメージが残ります。一見大丈夫なように見えても繰り返し電子レンジを使っていると割れてしまう場合があります。長く大切に使いたい場合は避けるようにしましょう。 また、電子レンジの電磁波は金属に反応し火花や黒ずみの原因にもなりますので注意が必要です。

お手入れ方法

01. 陶器・磁器の洗い方

中性の洗剤を使い、柔らかなスポンジで優しく洗ってください。食洗器は熱水や振動の影響を受けるためお勧めできません。また、漂白剤はにおいが沁み込んでしまう可能性があるので注意しましょう。 水を張った洗い桶に長時間つけ置きするのもお勧めできません。磁器は特に問題ありませんが、吸水性の高い陶器は洗い桶の中の汚れやにおいが移ってしまいます。

02. 陶器で水分がしみ出る場合

陶器(土もの)の特徴として、表面に存在する亀裂(貫入)に、水分や茶渋などがしみ込みます。使えば使うほどに表情が変わり、ご自身だけの唯一無二の作品に成長していきます。 唐津焼などは土の性質上、器に水分の多いものをいれて長時間置くと、水分が表面にしみ出てくることがありますが、使い続けると次第に止まってきます。

03. においを除去する方法

レモンを絞った水に器を入れ煮沸を2~3度繰り返すと、レモンの酸の力でにおいを取ることが出来ます。それでも取れない場合は、重曹を使いましょう。 水1リットルあたり大さじ4杯ほどの重曹を水に溶かし、陶器を半日から1日浸け、丁寧に洗い流します。完全に乾燥させてもまだにおいが取れない場合は2~3回繰り返して下さい。

04. シミを除去する方法

陶器にシミが付いてしまった時は、気づいたときに直ぐ漂白剤に浸けましょう。但し、陶器は吸水性が高いので数十分程度で取り出し、漂白剤が染み込んでしまわないよう丁寧にすすぎましょう。

05. 欠けてしまった場合

小さな欠け程度であれば、基本的に使い続けても問題がない場合も多いのですが、欠けた部分から細かいヒビが入り、破損の原因になることがあります。 欠けた部分が尖って痛いようであれば、目の細かいサウンドペーパーでこすって滑らかにしましょう。昔ながらの技法「金継ぎ」は、欠けたり割れたりしてしまった器を主に漆と金粉を使って修復する日本の伝統技術のことです。 欠けた部分からのシミや汚れを防ぐことができます。

保管方法

01. しっかりと乾燥させてから収納しましょう

陶器や磁器は水分が残っているとカビやシミの原因になるため、洗った後は直ぐにふきんで水分を拭き取り、しっかりと乾燥させてから収納するようにしましょう。 裏面の高台に水分が残っていることが多いため、キチンと触って確認するようにしましょう。

02. 器を重ねるときは

器と器を重ねるときは、薄い布や紙を挟むと傷や湿気を防げます。長期間しまいっぱなしにするときは、布や紙で全体を包んで、風通しの良い場所など、湿度の低い所で保管するようにしましょう。