宮ノ北窯|MIYANOKITAGAMA

今西 公彦|Masahiko IMANISHI

陶歴

Profile

1971年 兵庫県丹波篠山市に生まれる
1995年 京都市立工業試験場修了 京都 岡本彰の内弟子となる
2000年 丹波に帰り作陶をはじめる
2001年 三田市に築窯
2005年 初個展開催、以後、各地にて個展開催
2010年 丹波篠山市立杭に移る

日本橋三越本店(東京)、仙台三越(宮城)、札幌三越(北海道)、阪急うめだ本店(大阪)、神戸阪急(兵庫)、東武百貨店池袋店(東京)、京都髙島屋(京都)、山陽百貨店(兵庫) 、などの百貨店やギャラリーなどで個展開催。

宮ノ北窯 ギャラリー

Gallery

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宮ノ北窯のギャラリー(正面外観)
 
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宮ノ北窯のギャラリー(入口)
 
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宮ノ北窯のギャラリー(展示作品)
 
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宮ノ北窯のギャラリー(展示作品)
 

宮ノ北窯のギャラリー(全体風景)

 

丹波焼の魅力について

丹波焼がつくられるエリア立杭(たちくい)

丹波焼は丹波立杭焼ともいい、兵庫県は丹波篠山市今田周辺でつくられる陶器(焼き物)をいいます。周辺は山に囲まれた盆地となっており、その谷には南北に四斗谷川(しとだにがわ)が流れています。北側が上立杭(かみたちくい)、南側を下立杭(しもたちくい)と区別し、現在でも約60軒の窯元が肩を寄せ合いながら作陶を続けています。

丹波焼,立杭焼,兵庫
参照:丹波焼 陶器まつりの歩き方(丹波焼陶器まつり実行委員会)

 

丹波焼の魅力

丹波焼は日本を代表する陶器産地として有名です。抹茶椀などの茶陶もつくられていますが、飯碗・茶器・花器など暮らしの器が主につくられており、植木鉢や酒樽などの工業品も生産されています。信楽焼よりも控えめで、飾り気のない素朴さ、落ち着いた雰囲気、土の温かみ、素朴でありながらも存在感ある佇まいが魅力です。作家手作りの器は長年使い込む中で徐々に風合いが変化していきます。大量生産では味わえない工芸品の良さ、愛でて育てる愉しみがここにあります。

丹波焼の特徴

平安時代から伝わる丹波焼の特徴は、窯の中の薪が灰になり、その灰が自然釉となって美しい緑色や赤褐色の色味をもたらします。もう一つの特徴は「灰被り(はいかぶり)」により生まれる独特の色と模様です。登り窯で約1,300度という高温で60時間ほど焼成する際に、松などの薪が灰になり、炎の勢いで降りかかり、丹波の土や釉薬などと溶けあうことで生まれます。灰の掛かり具合や窯の場所などにより様々な色合いとなり、一つとして同じものは存在しません。また、丹波焼は比較的重みを感じる器が多く、色や形などには決まりがありません。使用される釉薬は、木・藁・栗のイガ・竹の葉などの灰釉(はいゆう)や雑木を燃やした土灰釉(どばいゆう)、鉄釉、白釉などがあり、*日本六古窯の中でも、自然釉が最も美しいともいわれています。

※日本六古窯(にほんろっこよう)

丹波焼,立杭焼,兵庫
参照:旅する、千年、六古窯サイト


 

丹波焼のバリエーション

・黒丹波

丹波焼に昔からある色で、艶々な黒豆を思い浮かばせるような透き通るような艶が魅力です。


丹波焼 今西公彦 黒丹波酒呑

 

・白丹波

江戸時代後期、立杭地域周辺で白土が採取され、「白丹波」と呼ばれる白釉を施した器が登場します。白磁の色絵など華やかな磁器製品への憧れから、白化粧を施された白丹波が生み出されたと言われています。白丹波は柔らかみのある白地が特長です。

丹波焼 今西公彦 白丹波酒呑
 

他には、光沢のある赤褐色の赤土部釉(あかどべゆう)などの個性ある釉薬や、スポイドなどで海老の模様などを描く技法「いっちん」など多様な装飾も特長的です。時代に合わせて技法や装飾を変え、常に暮らしに根ざしたものづくりを続けています。


丹波焼 今西公彦 赤土部酒呑

 

丹波焼の歴史

History

兵庫県丹波篠山市で生産される丹波焼は、瀬戸焼・常滑焼・信楽焼・備前焼・越前焼と共に*日本六古窯に数えられ、850年に渡る長い歴史と伝統を継承しながら今日に至っています。

丹波焼は、平安時代の終わりから鎌倉時代の初め(12世紀後半)に誕生したと言われており、その頃の古丹波焼は穴窯(山の斜面を掘った半地下の窯)で焼成、赤褐色の肌にビードロと呼ばれる緑の自然釉(薪の灰が降りかかり、高温によって溶けガラス化したもの)が流れる焼き締めの陶器であり、食料や飲料水を貯蔵するのに用いられたであろう甕(かめ)や壺(つぼ)、すり鉢などが多くつくられていました。

丹波焼は茶陶としても有名で、茶人の古田織部(ふるたおりべ)も愛用していたとの記録も残されています。

江戸時代(17世紀前半)に入ると、登り窯が導入され、自然釉の奥深い表情が徳川将軍家の茶道指南役として有名な小堀遠州(こぼりえんしゅう)らに絶賛され重宝されるようになります。また、江戸時代には多種多様な釉薬が生まれ、ぐい吞や皿などの日用雑器を多く生産するようになり、戦後(1945年以降)は柳宗悦(やなぎむねよし)に見出され民藝の精神を形にした器もつくられるようになりました。

登り窯による焼成は、最高温度1,300度にもなり約60時間焼成、その結果、松などの薪の灰が器に降りかかり釉薬と融けあって*窯変(ようへん)し、丹波焼特有の「灰被り(はいかぶり)」と呼ばれる模様が表れます。

その特徴的な風合いは、素朴でありながらも独自の美しさを持ち、茶陶としても高く評価されています。 1978年には国の*伝統的工芸品指定を受けました。

丹波焼の中心は、篠山市外の南西約20kmの今田町立杭地区となっています。東側を虚空蔵山(こくぞうさん)、西側を和田寺山(わでんじやま)に挟まれ、その間を四斗谷川(しとだにがわ)が南北に流れています。約2kmの谷筋は明るく、南側が下立杭(しもたちくい)、その北側は上立杭(かみたちくい)と区別し、山の麓には家々が肩を寄せ合って建てられています。その多くが代々続く窯元であり、現在も約60軒程度の窯元があり、130人前後の陶工が焼き物に携わりながら、変わりゆく⼈々の暮らしとともに進化を続けています。

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※日本六古窯(にほんろっこよう)

日本古来の陶磁器窯のうち、中世(平安時代後期)から現在まで生産が続く代表的な6つの窯の総称。

兵庫県:丹波焼(たんばやき)、愛知県:瀬戸焼(せとやき)・愛知県:常滑焼(とこなめやき)・滋賀県:信楽焼(しがらきやき)・岡山県:備前焼(びぜんやき)・福井県:越前焼(えちぜんやき)

※窯変(ようへん)

陶磁器を焼く際、炎の具合や釉薬中の物質の関係で、予期しない(面白い)色や文様に変わること

※「伝統的工芸品」とは

次の要件を全て満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づく経済産業大臣の指定を受けた工芸品のことをいいます

❶主として日常生活で使用する工芸品であること

❷製造工程のうち、製品の持ち味に大きな影響を与える部分は、手作業が中心であること

❸100年以上の歴史を有し、今日まで継続している伝統的な技術・技法により製造されるものであること

❹主たる原材料が原則として100年以上継続的に使用されていること

❺一定の地域で当該工芸品を製造する事業者がある程度の規模を保ち、地域産業として成立していること。

引用:経済産業省ウェブサイト

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